風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

自己を知る

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平泉からは、奥州、北上、花巻と一気に北上してしまった。

本日は毘沙門堂を拝めた。これ以上何かを書くのは、少々煩わしい…。

とあくまでも先日会得したのんびりを意識して、今日はとにかく走ってみる。

 

以前旅人の藤原かんいち氏に、ただひたすら道を走り、移り行く景色を眺めるのも一つの楽しみ方である、ネタ探しに翻弄するのが旅ではない。といった助言をいただいたのを思い出す。

だが、宇宙なんちゃらセンターとか、衣川とか、看板を横目に流すたび、これでよかったのか、何も見ずに来てしまってよかったのかと自問する私も顔を出す。それに対していやのんびりいくべきだとしかめっ面をする私もいて…。

 

ダメだ。これでは。

のんびり旅を進めようとして、かえってのんびりにとらわれてしまっている。

ひたすら走り続けるのは楽しいのに、どこにも寄らなくていいのかという妙に仕事熱心な私が煩い。

私は、なんなのだ。こんなのが私だったのか。旅に焦がれていたくせに、旅に向いていないんじゃないのか。

 

 

そう頭を振りながら、道の駅紫波へと転がり込んだ。

自分でも無意識に、駅の観光マップを眺めていた。

どこへ行ったら面白いだろうか…。

と、結局ネタ探しに走ってしまっている私に声をかけてくれた人が。

「テント持って旅してんのかい。」

駅で魚介類を売っていたおじちゃんだった。

「ええ。まぁ…。バイクで全国を旅してます。」

なんて、こんな有様でよく言えたものだ。

するとおじちゃんは、

「そっか。男は旅をして成長するっていうもんな。

 物乞いじゃねぇのはわかってるけどよ、これ暇なときに食いな。」

とイワシ?の干物をくれた。

 

IMG_0437.jpg

 

「…とりあえず今晩の飯は、これにしよう。」

 

 

 

バイクの上に寝そべりながら、ひたすら煮干しを食む。

「けっこうあるなこれ…。」

ひたすらボリボリいわせていると、辺りはとうに暗くなっていた。

 

男は旅をして成長、か。そうだ、こうやって自分とはどういう人間なのかが否応なしに洗い出されるのも、旅の醍醐味なのだろう。

こうやって悶えている自分にも、うまく折り合いをつけて。納得できる自分を形作っていく。そうするしかないのだ。何とか乗り切って、成長するしかないのだ。

 

まだまだだ、俺。干物をぐいと頬張った。

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