風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

ヒーロー①

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牡鹿半島に別れを告げ、女川駅周辺へと到着する。

テントを設営したものの、市の職員らしき者に撤去を命ぜられたため、あえなく少しばかし山の方へ移動し、分かれ道の先にあった明かりのない広場にテントを張った。

 

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目を覚ましてみると。

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何か建ってるなとは思っていたが、慰霊碑が建っている場所であった。

津波被害の方々のもとと思ったが、碑に近づくと

国のため 命捧げし戦友よ 鎮まり給え 故里の丘

という歌が目についた。戦没者のための慰霊碑だったようだ。

 

そこに刻まれていた女川町長の言葉曰く、

戦雲はるかに去って さんざめく平和の歌声。繁栄の道をたどる今、改めて郷土出身の英霊をしのぶとのこと。

日清、日露、第一次世界大戦、満州事変、日華事変、太平洋戦争…幾度もの戦乱が巻き起こるたび、ここからも何百人もの兵士が送り出されていったようだ。

 

北の大地で、南の海で。人知れず散っていった命の上に、この国は成り立っている。

「じゃあ兵士さんたちが守ってくれてたんだね。」

と電話越しに母の声を聞くころには、ここで寝ていた恐怖心など微塵も感じなかった。

 

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せっかく来たので女川観光。

 

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女川駅は、石巻線の終着駅らしい。レールが一本しかない。

駅舎の中には温泉があるとのこと。現在コロナの為、東北6県の人しか利用できないのが悲しい。

 

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駅を挟んで線路の反対側は、商店街となっている。

 

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商店街と言うとシャッターなどが下りる古めかしいものを連想してしまうが、ここは木造りの店舗が並び、有線放送からは、軽快なサックスのスウィングが響き渡っている。

 

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港。ここも津波の被害を受けている。真新しい商店街は、復興で造られたものというわけだ。

 

駅のそばには、こう刻まれた石碑が。

我等が郷土の再建の為、春夏秋冬昼夜分かたず現場で尽力された全ての人々に心からの感謝を捧ぐ

どうやら女川町という町は、被害に遭った方たちに加え、今自分たちが享受している幸福を作った人々に対しても、畏敬の念を忘れぬ町であるようだ。

 

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万石浦を横目に、石巻へと走る。

 

                                          続く

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