風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

昏い春

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「何もお構いできなくてごめんなさいね、また次来た時、ゆっくりお話しましょう。」

いわきに着いたら、どうしてもお会いしたかった。

小学校の時の恩師は、あの頃と何も変わらず、品の良さとお転婆さが入り混じった口調で私に会ってくれた。

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恐らく、小学時代に私の作文を褒めていただけなかったら。私は今、文を書いていなかったと思うのだ。

 

事情により軒先での手短な挨拶となったが、お構いもなしになんてとんでもない。誠に恐縮ながら、路銀までいただいてしまった。

我が師のためにも、この旅、なんとかやり遂げたいところである。

 

 

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小名浜へ戻り、少し散歩をしてみる。


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小名浜で獲れた魚介類を提供している、『いわき・ら・ら・ミュウ』。

付近に近年イオンモールができたこともあり、休みの日は人で賑わっているはずなのだが…。

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平日…ということもあるだろうし、何よりも件のコロナウイルスの影響で、足音が響くほど人は見かけなかった。

各店舗のスタッフは暇を持て余すのもいいところ、といった様子で、頬杖をついたり、喫煙所で一服したりする姿が見られる。

…別に、責めるつもりはない。私だって、客がいなかったら不貞寝しているだろう。

 

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閑古鳥が鳴くレストランの通りがかりに、「ご案内できますよ」なんて声をかけられたら入りたくなるのが人情だ。いわき市の魚に制定されている、メヒカリの御膳をいただく。

唐揚げにされたメヒカリにパリッと歯を喰い込ませれば、程よく塩味が効いた白身がホロホロと口に崩れ落ちてくる。旨い。

 

 

 

家に帰ると、せっかくの天気だからと母がドライブに誘ってくれる。

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いわき市の桜の基準木。いわき市は今、満開を記録しているそうだ。

 

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海岸沿いの公園へ連れて行ってもらい、咲き乱れる桜を母と祖母とで眺める。

花々は例年どおり愛らしい色を湛えているのだが、周りに人はまばらである。ここもまた、平日であるし、夕暮れ時だからという理由もあるのだろうが…。

 

 

日を重ねるごとに、人々を不安で苛ませる病原体。

空は映え、桜はこんなにも咲いているのに。その姿を見てもらえないのは、さぞ悲しかろ。

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