風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

酸いも寒さも他人事

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いつ帰ってきてもいいようにと、ロフトに敷きっぱなしにしてあった布団からよじ出でる。

窓の外を見ると、珍しく予報通りな空模様が広がっていた。

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いやぁほんと、昨日中に実家に転がり込んでよかったと、安堵したものである。

 

 

3月も終わりの降雪は、昼過ぎまでゆらゆらと町を漂っていた。

「まだ降ってるわ。」

と祖母がつぶやいているが、まぁ…、今日は日曜日だし。

多くの人々も急を要してやることもないのであろうから、恐らく季節最後となる雪ぐらい、思う存分降らしてやってもいいのではないか、と思ったのであった。

 

 

そんな雪どもを窓越しに見るのもかわいそうだと、15時を過ぎたあたりで外に出てみた。

雨の日に走った時とはまた違う、皮膚の1センチ下ほどまでツン、と突き刺さるような、冷気を一挙に浴びた。

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ロケットⅢも、雪をかぶるのは初めてだろう。

 

 

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漁港まで歩いてみる。宙を舞っていた雪はすっかり雨粒に変わり、積雪も水たまりと化している。

わずかに晴れ間を見せている薄墨色の雲のみが、雪が降っていたことを実感させてくれた。

「雪が見られにゃ、いつもの風景だな。」

 

家へ戻ると、体にまとわりついた冷気が撫で降ろされる。

「屋内ってのはいいもんだな。」と、思わずつぶやいてしまった。

壁で隔てて、屋根に隠れりゃ。外で巻き起こる大風も雪嵐も、まるで他人事、遠いよその国で起きた出来事のようだ。

ヒトの技術にありがたみを感じるとともに、どこか寂しさを感じるのは。旅人ならではだろうか。

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