筑波山を背にして
3月24日
「あ~~……だめだ、ムリだよぉ…。」
国道408号線を北上中。私の目は細まり、口は情けなくへの字を描いていた。
土浦の親戚の方々。
ご飯、風呂、洗濯に寝床…。シジミン宅もそうだったが、なぜこうまで厚いもてなしをしていただけるのだろうか。
ご飯は何度もおかわりを促してくれたし、話もたくさん聞いてくれた。おまけに食材まで渡して頂いて、信じられないことに路銀までいただいてしまった。
抑えていたが、この日々のことを想うと…我慢できず涙目になる。
「またいらっしゃい。そのときはまたたっくさんお話を聞かせてね。」
正直、またキャンプ生活に戻ることに不安はある。
だが、やはりそうだ。こうして恋しく思える人たちの顔を思い出せば、いくらでも戦う気力が湧いてくる。人と触れ合った思い出は、前へ進むエネルギーとなると心得た。
さて次は…。栃木だ。
ここでは何があって。何を見て。誰と会うんだろうか。
再びの一人身。だが旅立った直後とは一味違った背中を、筑波山が見送ってくれた。