雲の上の
3月24日
鹿島神宮。
天照大御神の命により、見事国獲りを成就した武甕槌神大神(タケミカヅチノオオカミ)を祀っている神宮で、皇室、藤原氏、源頼朝や徳川家も祈願をしたという超有名スポットだ。
境内にはスギやヒノキ、サカキやモミといった樹木が乱立しており、社殿が重要文化財なのはもちろん、そういった樹叢も天然記念物に指定されている。
見上げるほどの樹木は、いずれもどこか、そこらの山野を散歩しただけでは見られないような。それこそ、神の息がかかったような形状をしている。
武甕槌神大神は最強格の武神であり、鹿島神宮といえば伝説的な剣豪・塚原卜伝が参籠をした場所として有名で、武を志す私にとってもありがたい場所ではあるのだが。
「…なんか、よそよそしいな。」
写真もなんかこう、パッとしたのが撮れないし。
なんというのだろうか。あまりにも自分の手の届かない範疇の伝説が多すぎて、この身に取り込もうという気が起きない。早い話親近感が湧かない。
もしかしたら、私はこういった格式高い場所とは相性が悪いのかもしれない。
神頼みをする際も、下手に有名な神社に行かず、家に近い場所に行くのがいいというしね。
ありがたい場所なのはわかる。すごい場所なのもわかる。美しいことも。
ただ、だからといって、それが万人の信ずべき至高だとか正義だとか、そんなことを想う必要はないのだ。
自分に合う神様に手を合わせればいい。日本には八百万の神がいるっていうんだから。
まぁしかし、国宝の直刀をリスペクトした『平成の大直刀』はなかなかグッとくるものがあった。
巫女さんに頼んで、閉鎖中のところを拝見させていただいた甲斐がある。
土浦宅への帰路は、妙に幻想的な空がずっと見守ってくれた。
まるで茨城が、別れを惜しんでくれているかのようである。
ありがとう茨城よ、海あり山あり橋あり神宮あり、実に楽しませてもらった。不人気県ワースト1位とか、気にするな。屋根の下でネットばかり見てる奴らに、言わせておけ。
今夜は、親戚の夫妻が教師であるお孫さんたちを呼んで、また料理などを振舞ってくれるらしい。
どんな話を聞けるのだろうか。楽しみだ。
人と会って、何時間も話して。胃袋も、心も満たせた、暖かな茨城の旅であった。