風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

原動力

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昔、私が福島の実家から神奈川の居宅へ帰る際、シジミンと連れ立って通った道――霞ヶ浦を臨んでいた。

 

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、とはよく言ったものである。伸び伸びと吹きすさぶ風に撫でられて白波を立てる様は、まさに海だ。

 

 

「今は、あの時と違って一人だ。だが—」

シジミンに受けた恩を思い返す。

 

 

まだ、私がなぜ旅をしているのか、はっきりとした目的、答えは見いだせない。

だが、恩を報いるため、友のためならいくらだって走れる。一人では絞り出せなかった、原動力を見いだせる。

 

これはもはや、私一人のための旅ではないのだ。一人だが、孤独ではない。

理由なんて今はどうでもいい。ただ、進め。前へ、前へ、前へ―――。

今まで出会った、全ての人のために—

 

 

~~

栃木の県境に達する前に、茨城ではもう一ヶ所寄っておきたいところがあった。

霞ヶ浦で声をかけられたおじさんが発した「サムライならね、鹿島神宮のでぇーっかい太刀も見てきなよ!」という言葉も魅力的だったが。そうではない。

 

土浦に親戚がいるのだ。以前、東日本大震災の後には、テレビなどを提供していただいたこともあるありがたい電気屋だ。

土浦市と阿見市のほぼ間に位置する路地へ入っていき、電気屋の事務所を訪ねる。

私の母のいとこ—実はあまりお顔を覚えていなかったので、恐る恐る「永井(仮名)さんですか…?」と尋ねると、あちらも「あっもしかして平の…」と気付いてくださった。

 

それからコーヒーなどいただいて、しばし話す。

電気屋はもう50年以上やっていること、今はもう個人の電気屋なんてなくなってしまっていること。家のすぐそこにテレビに映ったかき氷屋さんがあること、そういえば昔は夏祭りで子供がにぎわい、ここでもかき氷機を集めて売ったこと。天然のかき氷は冷たすぎず、頭が痛くならず、製造機のブレードもいいものはカンナのヤスリのようで、ふわっふわのかき氷が…あれ、脱線してるか?

 

八龍神社で出逢った、おばあさんの話を思い出す。

少子高齢化。私としては他人事だったが、やはり大先輩の身からすれば、子供が年々減っていくことは敏感に感じ取られるのだろう。子供は、まさに活気そのものなのだ…。

 

 

「じゃー、今晩は家に泊っていきな。」

「えっ」

なんというか…。

その、ごめんシジミン。やる気出して別れてきたのに、また人のお世話になってしまうことになった………。

 

 

茨城編、延長―

 

 

 

 

 

                                                                      ~少しだけ次回へ続く~

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