風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

ひと手間入魂

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晩御飯に朝ご飯、果ては洗濯物まで手を煩わせていただいた。

このままただ居候するということのほうが、まさに苦行、身の裂ける思いってやつだろう。

というわけで、「出かけてもいい」とシジミンには言われたが。ビニールハウスの解体作業というものを手伝わせていただいた。

 

 

彼の家は農家だ。聞くところ、米と芋—干し芋を作っているらしい。

その、芋を干すためのビニールハウスが、時期が終了したので解体されるとのこと。

 

ビニールハウスの中、土の上に敷かれた藁。の上に敷かれた、細かな目の網を取り除く作業をさせていただく。

今はもう姿がないが、さらにこの上に柱を組み合わせて机を作り、たくさんの干し芋を干すらしい。

「なぁシジミンや。この網ってさ、やっぱ取らないとダメなんでしょ?」

「このビニールハウスの下の土、トラクターで耕すからね。見てみぃ、雑草もめちゃくちゃ生えてるじゃん。これを処理しとかんと、エラいことになるからね。」

確かに、網の目から雑草がニョキニョキと生えてきていて、網を固定する楔と化してしまっている。ただでさえ網を固定する杭を抜くだけで腰が痛くなるのに、そいつらのせいでより手間がかかる。

 

いくつもの杭を抜き、網をたたみ。また杭を抜き…を繰り返す。

もしかしたら、このビニールハウスを1年中放置して、干し芋やら何やらを作っているところもあるのかもしれない。それもできるのかもしれない。

ただ、ここを含め多くの農家はそうなのだろう。こうして、手間暇を惜しまない。作物を作ったら、毎回きちんと整地をして。最大限の栄養だとか、旨味を引き出した作品を作り上げて、それを人に提供する。

 

 

土仕事だなんだと軽く見る人もいるが。農家もまた、陶芸家なとど同じく。己の納得のいくモノづくりを、ひたすら実践し続けている職なのだろうなぁ。

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