風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

風の音が聞こえる街

「虫がすげえ…」

 

昨晩、かゆみを感じては殺虫スプレーを撒き…と戦争しながら寝ていたものだから、朝起きると寝床に蚊だかなんだかの死骸がいくつか転がっている。

何故かサイドブレーキレバーの下には、戦争に巻き込まれて衰弱しきったGもいたし…。

 

 

ま、なにはともあれ。

 

 

 

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3月28

 

ここが、タウンズヴィルだ。

 

前に軽く調べたとおり、デカい山があって、川があって、その周りに街があるようだ。

夜中に軽く走り過ぎただけだが、起伏があっておもしろそうな街である。

のんびり、まずは観光でもしたいが…。

 

「まずは地盤を固めなくてはな。」

 

 

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港の先端に佇む、『ARDO(アルド)ホテル』を訪れる。

 

まずは仕事探しだ。金がなければ生きられん。職がなければ甲斐がない。

 

前回QTホテルで働いた経験から、ホテルの勝手はわかっているつもりだし、何よりスタッフ特典が豊富であることを知っている。あの便利さは忘れられん…。

詳細は全くわからないが…。気合を入れて、街で一番良いロケーションのホテルで、レジュメ配り一発目を決めてやろう。

 

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昨晩、ちゃんとシャワーを浴びたから大丈夫。さすがの私も、公園のシャワーで一晩を過ごすのは初めてだった。ちゃんとシャンプーもつかったよ。

 

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ネクタイを締めて、っと…。

 

 

~~

 

 

ルーフトップのバーを訪れ、レジュメを配った感覚としては、幸いにも好意的なものだった。

やはりセカンドビザが取れる地域であるから、ビザを延長したい旨もよくわかってくれて、話がしやすかった。

ここで働けたら素晴らしいのだが…。話したときは笑顔でも、返事をもらえないことのほうが多いのは知っている。

 

ほかにもいろいろ回ってみよう。

 

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歴史のある街タウンズヴィル。ゴールドコーストより古めかしい建物が残っており、ところどころ過去を紹介する立て看板も設置されている。

 

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「どこもやってねえな…」

酒場が集まる通りは、昼間は閑古鳥が鳴いている。

 

仕方ない、街歩きをしながら、地形を把握しておこう。

ネットで部屋探しもしつつ、気の向くままに歩き回ってみる。

 

 

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街のどこにいても見える、巨大な岩山の存在感がやはりすごい。あそこは登れるようだから、ひと息つけたらそこからの景色を味わってみたいものである。

 

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ヨットがたくさん係留してあるロス川。軽く地図を見てみたが、街の途中で流域が切れており、どの源流から流れてきているのかよくわからない。

 

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教会もあった。少しばかり高台にあって、心地いい風が吹く場所。

 

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比較的平べったかったゴールドコーストと違い、そこそこ起伏がある。

多少坂があったほうが、人生おもしろいものである。

 

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ビジネス街っぽい区画もある。

 

さすが、我が故郷のいわき市と姉妹都市であるだけあって、どこか居心地がいい。

ほどよく町でほどよく田舎で、おもしろくもありつまらなくもある町並み。

良い町だ。

 

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この立派なビーチは、故郷にはないが…。

 

 

さすがに体がへばっているのを感じたので、贅沢して一泊だけドミトリー宿、いわゆるバッパーを活用してみる。

 

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といっても一人部屋をとったのだが。

 

 

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いろいろなところに溜まり場が用意されていて、夕方ごろになると歓談の声で宿が満ちる。

長く泊っている客もいるようで、こういうところで過ごすのも面白そうではある。

まあ一人部屋をとってる自分には無理だろうが。

 

 

 

夕方、レジュメ配りに寄ったバーがなかなか良い感じだったので、車を置いて酒を呑める状態にし、もう一度訪ねてみることに。

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バス停で、おばさんに「虫がすごいから、何か履いた方がいいよ」と言われた。確かに、膝丈のパンツを履いている我が脚は、なかなか虫刺されで痛々しいことになっている。

 

 

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言っちゃなんだが、ゴールドコーストのとりあえずレベルの付け焼刃なバーテンダーたちに比べて、こちらのバーテンダーたちはかなり年季が入っているように感じる。使うツール、シェイクの仕方…。ガーニッシュも面白い。こちらはフォーチュンクッキーが飾ってある。

 

日本ほどではないが内装も落ち着いていて、喧騒のあるパブと、のんびりと飲めるバーとできちん敷居が分けられているように感じた。

 

バーテンダーとしての質も、上げられそうな街である。

長旅をしてきた甲斐があった。まだ何一つ決まってはいないが、とりあえずの祝杯を、一人で傾けた。

 

 

 

~~

 

 

それから二日ほどして、新居の目途もたったあたりで。

はじめにレジュメを配ったアルドホテルから、面接していただけるとの電話が来た。

 

 

結果からすると、どうやらパスしたようである。

幸先が良すぎる…。

 

ルーフトップのバーではなく、グランドフロアの日本食レストランメインで働いてほしいそうだ。

そこのマネージャーの確認をとって、前の職場(QTホテル)にも確認をとったのち、雇用となるという。

 

「どのくらいここにいるの?」と聞かれ、「1年は」と言ったら驚かれたのが印象的だった。

田舎の人が、こんなところに!?”と驚くアレである。

 

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まぁたしかに、街歩きを続けて気付いたが。

この街、リース物件の貼り紙をやたら見かける。決してふくよかな街ではない、ということなのだろう。

もちろん、車旅の途中で見かけてきた、本当に辺境の村々と比べれば十分潤っているし、今後たちゆかなくなる…というほどのものでもないのだろうが。ゴールドコーストやブリスベンと比べたら、寂しいところではある。

人気がなく、風の音がよく聞こえる。

 

しかしまあ、思えば。

今まで東京で研鑽を積み、旅している間も忙しなく動き回り。初めての海外も喧騒の中で過ごしてきたのだ。

たまには、こういうところでスローライフもいいのではないだろうか。

 

 

 

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今日も公園の片隅に車を停め、寝る。

時おり野犬が見られ、公園を一周だけして出ていく車もいる。

みんな、自分の寝床を探しているんだろうな…。

 

さてさてこの先どうなるものか。

まだ、この暗闇に身を沈める夜は続くのか。日向に出るのか。

 

不安も楽しみも飲み込んで、ただ目を瞑るしか、できることはない。

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