風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

世界レベルドライブ

327

 

 

20240327_074645.jpg

朝である。

 

自転車を再び荷室へ入れ、歯を磨いて、着替えて運転席へ。

…海外だから野宿なんてめずらしいものでもないだろ、なんて勝手に思っていたが、通りすぎる車たちからは視線をいただいている気がする。

 

まぁ今更不快感は感じない。むしろこういう感覚は久々で、嬉しくもある。

さて出発だ。

 

 

 

20240327_084102.jpg

黒い道路に、緑の草木、白い雲にそして青い空。

やはりドライブといえば、この色彩が王道だ。

朝露に濡れ揺れる木々が、私の到来を祝福してくれるようで嬉しい。

 

 

20240327_090453.jpg

 

20240327_090735.jpg

 

20240327_090744.jpg

 

「いやーーーーーーーーーーー痛快だなあ!」

 

隔てるものがないだだっぴろいキャンパスに、これでもかと贅沢に描かれる雲、そして遠慮を知らずどこまでも延びる荒野。すげえ。すげえぞ。

まるで洋画の世界じゃないか。

…いや? 洋画の世界にいるのか、今まさに!

小さいころから憧れていた世界を、今走っているのだ。そう思うと堪らなく興奮する。

窓からちょっとだけ顔を出して、バイクのように真正面から風を感じる。そして叫ぶ。

 

雨のときは憂鬱になっていたのに、晴れただけでこのはしゃぎようだ。我ながら単純なものである。

だがそんな、さまざまな顔を見せてくれるこの世界が、愛おしくてたまらない。

 

 

~~

 

20240327_095928.jpg

 

20240327_103304.jpg

 

給油がてら、昼前にすこしつまむか…と思ったらけっこうな量のクランチチキンが提供されてしまう。ドリンクポテトつきで8ドルぐらいだから、控えめだと思っていたのだが。田舎価格なのか。

何もない場所にある簡素なつくりのスタンドだが、こーーいう味気ないのがまた、洋画っぽくてむしろ味があるのよね。

 

ここまでで、だいたい東京から函館くらいまで走ったことになる。

「ここから、稚内まで…。」

想像を絶するほど広かった北海道の旅を思い出し、また戦うのかと滅入る。まあ、一度倒した相手なのだから、なんとかなるだろ、うん。

 

~~

 

21806.jpg


チキンを食べたOgmore(オグモア)から少し北上したところに、やたらとハイウェイが海に近づいている区間がある。そこで少しだけ、道をそれてみよう。

 

 

20240327_115622.jpg

ハイウェイから外れ、並走していた線路を渡る。

 

木立が並ぶ小径を抜けていくと、別荘のようなものがチラチラと。

バスの停留所となっている広場があったから、ひとまずそこに停めてみようか。

砂利に乗り入れ、サイドブレーキを引いて一息つくと。窓の外に、なんとも魅惑的な青がチラリと見えた。

 

IMG_8015_202404051429000f4.jpg

「おおっ? おおおおお?!

 

IMG_7993.jpg

「おおっ」

 

IMG_7997.jpg

「おおおおおーー!!

 

これは素晴らしい。

なんて心躍るライトブルーなんだろう。

 

IMG_8001.jpg

木々を抜けてみれば、目の前にはなんとも南国らしい世界が広がっていた。

ここが、Clair View(クレアビュー)。

伸び伸びと茂る木々に、巷じゃあ見られないゴツゴツとした石っころ。ちょっと走りづらそうな砂浜。

海水浴場とは違う、海辺の原風景。

 

IMG_8007.jpg

先ほどまで耳の中でうねっていた、モーター音はどこへやら。

聞こえるのはチャプチャプ波音。ヒュウっと風音。そしてザアザアと木々の声。

秘境だ。

青森で見つけた海辺を、思い出すなあ。色は、沖縄っぽいけど。

 

IMG_7999_20240405142906864.jpg

別荘を建てる気持ち、大いにうなずける。

また来たいけど、タウンズビルからもけっこう離れてるからなあ、ここ。

「でも、また来たい。」

 

また来るのだから、長居は無用。岩場に立って、全身を海風で洗濯すると。30分もしないで、またコクピットに戻った。

 

「いやあ、これが見れただけでも、車で来た甲斐があったわ。」

 

 

 

~~

 

北海道よりも、沖縄よりも。

圧倒的にデカいスケール。これが、世界か。

勘違いしないでほしいが、決して日本を貶している訳ではない。あのサイズ感はあのサイズ感でいいのだ。あれでしか味わえないものもある。

ただ言いたいのは、サイズ感が明らかに違う、ということ。Betterではなく、Different

 

「当たり前っちゃあ当たり前だけど。日本に居たんじゃ、こんなことはわからなかったよなあ。」

テレビやインターネットがあるのだ。頭ではわかる。が、体ではわからない。実際にこうして、その場に立ってみないと。

 

いつまで経っても、どこまで行っても。世界には驚かされるなあ。

20240327_173243(0).jpg

どこでも変わらず沈みゆく陽を見て、あらためてそう思った。

 

 

 

 

 

 

そして20時すぎ。

ついに、タウンズビルに到着する。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する