風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

お酒を豆に持ち替えて

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「いーい気持ちである…。」

 

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マーメイドウォーターズ。新居。

 

ゴールドコースト1のショッピングモール、パシフィックフェアから徒歩5分の立地。オウンルーム。

そしてウォーターフロントのテッキ…。素晴らしいシェアハウスである。

もちろん、そのぶん家賃は$350/weekと、お高いのだが…。他の安めのアコモデーションはことごとく契約済みだったり、仕事同様アプライしても返事がなかったりで…。選択肢がなかったのである。

スモークハウスはじめ、ブロードビーチで働くと決めていたからこの地区にしたのだが。結局働くのはサーファーズ。もはや、立地的にも何故ここにしたのかわからない有様だが、全て上手くいくことはそうそうないのだなぁ。

 

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それでもやっぱり、退去前にマッヂ氏に良い報せができたのはよかった。最後の最後に仕事も住まいも決まって、ひと安心させられただろう。

 

 

しょうがないことを言っても始まらない。この眺望を楽しもうではないか。

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刀のメンテしたり。

 

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寝転がったり。

 

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うひょー。

 

シェアメイトは、管理人らしきブラジルの夫婦と、リトアニアの青年一人。

週末には歓迎会としてバーベキューをしてくれたりなど、Kindな人ばかりだ。

 

 

あとは、新しい職場『Japanese Restaurant Yamagen』でちゃんと活躍できるか、シフトをちゃんと入れてもらえるか、など気になることもあるが。

その前に、一つやらねばいけないことがある。

 

 

 

103

 

学校終わりの、15時。

「それじゃあ、今日はよろしくお願いします!」

「よろしくお願いしまーす!」

サウスポートにあるカフェ、『Herringbone Cafe』。

前にカフェでも働ければと思って予約しておいた、バリスタレッスンが受けられる日。

マンツーマンで3時間みっちり。250ドル。証明書などはもらえないとはいえ、コーヒーの基礎を学ぶにはちょうどいいクラスである。

講師は、モモカさんという日本人女性だった。

「じゃあまずは、大まかな豆の種類から。アラビカ種とロブスタ種というのがありましてー…。」

 

時間が惜しいので、教科書を渡され早々に座学が始まる。

同じ飲み物を扱う仕事だが、バーテンダーとバリスタでは扱うものが全く違う。

Roasting(焙煎)の度合いによって酸味や苦みに違いが出たり、豆のブレンディングも焙煎前と後とにするのとでキャラクターが変わったり…。

知らない世界の知らない用語、概念が多くて、追いつくのに大変だが、そのぶん楽しい。

それに、分野は違えど、液体に造詣があるぶんなんとなくわかるところもあったり。

「それじゃあ問題です。グラインディングで、豆が粗いと、抽出時間はどうなるでしょう?」

「んー……豆同士の隙間があるぶん、短くなる?」

「正解! じゃあ、味は?」

「時間が短いぶん、水が豆に触れないから、軽やかな感じになるイメージですかね…?」

Good! 良いですね!」

飲み物をどのように扱うと、どのようにその性格が変わるのか。そんなことばかり馬鹿みたいに試行錯誤してきたので、大体のことはわかるつもりである。

 

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それから、実際に種類ごとにコーヒーを淹れていただき、味を確認。

 

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そしていよいよ実技。

いろいろな種類があるが、オーストラリアではこういったエスプレッソマシンをよく見る。

Grinding(グラインディング…豆を挽く)は機械が全自動でやってくれるので、それをTamping(タンピング)。エスプレッソホルダーに入れられたコーヒー粉を、タンパーを使って平らに圧縮する。これが難しい。なかなか平らになりにくい。

それを、エスプレッソマシンの抽出口にはめ込み、自動で抽出してもらう。

これで、エスプレッソは完成。だが問題はこの後だ。

 

ラテを作るのに必要不可欠な作業、ミルクに空気を入れて泡立たせる、ミルクフォーム。

マシンのボイラーという空気が噴き出るパイプを使うのだが、これが難しい。

空気を入れて、ミルクを時計回りに回転させるのはいい。ビールの注ぎなどで、さんざんやった技術だから。

問題は、空気を如何にして入れたい分だけ入れるか。ボイラーの抽出口が、ミルクに入り込みすぎず、離れすぎずの液面スレスレだと空気がバリバリ入るのだが…そこを維持するのが難しい。

ここでどの程度空気を入れるかによって、フラットラテだったり、カプチーノだったりと、フォームの厚さが違うラテが作れる。よってこれは必須技能なのだ。

 

大抵、必須技能というのは、もう練習するしかないものである。

ひたすらタンピングし、粉を平らにするのを練習し、ボイラーでミルクフォームの練習をして、カップに注ぐのを繰り返す。

このカップに注ぐのも大変で、エスプレッソとミルクをしっかり混ぜ合わせるには、円を描くようミルクを注がねばならない。バーのトライアルの時もだったが、とにかく手が震える。

 

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時間を無駄にせず、とにかく作りまくる。

努力が実を結んだのと、もともと定量を注ぐのはバーテンダーとして成れている技能だったので、カンバスは綺麗だと褒めていただく。最後に、少しばかりラテアートも教えていただき…。

 

―10分後―

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ドヤァア…。

綺麗なハートを描けるまでになる。教え方が上手いのだろう。

 

やばい。

すごく楽しいぞこれは。

淀みなく一杯のカクテルを作れた時と同様、作品ができたときは心地が良く、達成感がある。

 

 

バリスタとして経験を積むのも、オーストラリアで見つけられる新しいキャリアかもしれない。

学校が終わったらどうせ昼間は暇になるし、考えてみようかな。

そうするとなると、本格的にレッスンに通って、証明書とかも欲しくなったり。課題は山積みだが…。

 

 

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ひとまず、今日は楽しかった。

色々と心配事も解消できてきて、新しいことに触れる楽しみを、久々に堪能できた気がする。

 

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そして、コーヒーでも酔っぱらうことを今日初めて知った。普段はコーヒーなんて飲まないから、カフェインでも気持ち悪くなるなんてこと、知らなかった。

「無理して飲まなくていいですよ」

とモモカさんがテイスティングの時言ってくれたのは、こういうことだったんだなぁ…。

 

酒酔い、葉巻酔いに続いて、コーヒー酔い。これもまた新しい体験か。

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