風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

犬吠埼へ

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陽気な元レーサーと別れた後、本日の目的地・犬吠埼へ向かう。

県道30号を通り、北へ。

 

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飯岡では、座頭市物語の碑なるものを発見した。

 

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作家・子母澤 寛(しもざわ かん)氏が天保水滸伝の取材に飯岡を訪れた際、宿の主人から座頭市の話を聞いた双だ。「市さんという目の見えない変わった人がいましてね…」と。

郷土史家の人によると、座頭市のモデルとなった人の記録は残念ながらないそう。

だが、地元民の間ではその伝説は細々と語り継がれていたとか。

 

私も、あの仕込み杖を逆手抜刀術で巧みに操り、数多の敵をあっという間に切り捨てていくその様には、かなり憧れたものだ。思わぬところで伝説の地を踏めたことに、感謝したしだい。

 

 

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その後、岬にある『上永井公園』で来た道を振り返る。蓮沼はあのあたりだろうか。ならば、九十九里はもう見えないところだろうか?

岩井俊二監督の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の舞台にもなった岬らしい。観たことないんだが、恋人の聖地ってとこなのだろうか?

明日の雨の兆候だろうか、風が強くなってきたので、先を急ぐ。

 

 

 

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犬吠埼。関東の最東端。離島やどっかの山頂を除けば、日本で一番早く日の出が拝める場所だ。

灯台は、イギリス人リチャード・ヘンリー・プラントン設計、監督の西洋型第1等灯台。

相も変わらずコロナの影響で灯台へは入れなかったが、周囲を歩ける遊歩道を通って先っちょを見てみる。

 

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…誰もいないな、よし。

「わおーん」

少し恥ずかし気に叫んでみる。ここへ来たらやってみたかった。

この岩で、源義経の愛犬は七日七夜鳴き続けたらしい。残された犬の、主人を想う遠吠え。少し、その想いを労ってやれたのだろうか。

 

 

さて、九十九里でゆっくりしすぎたか。もう16時だ。

…しかし、道中で寝床は見つかっていない。

いや、海の近くではいくらでも見つかったのだが、あいにく明日の予報は雨。さすがにそんなときに海沿いはおっかない。

 

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晴れ渡っていた空も、仄暗い様相に。漁から戻ってきたと思われる漁船を横目に、内陸へ向かう。

 

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県道216号線を通り、旭市まで逆戻りだ。

 

そして、道の駅へ駆け込み。テントを張る。明日は温泉に浸かりたかったが、雨の中の移動はもうしない。

脚は動きたがっているが。1日静かにしていよう。

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