風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

境界にて

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成田から『芝山はにわ道』をひたすら東へ進む。ところどころに置いてある武者だとか馬のはにわに見送られつつ、アップダウンを幾度か越えるとまた畑風景が見えてくる。

だが、印旛の畑たちとは違う。ここでは、前方に山が見えない。進めば進むほど、空の面積が大きくなってくる。

しだいに風が強くなってきて、空と地平線がぶつかるあたりに防風林が現れる。

 

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そうして、たどり着いた。境界線に。

 

 

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急いてしまっては、ここまで積み上げてきた期待が崩れてしまう気がして。

ゆっくりと、ゆっくりと歩を進んでいく。

 

 

 

小高い砂丘の先から、やがて小刻みに揺れる銀の波が見えてくると。

なんとも、不思議である。たしかに待ちわびてはいたが、ここまで沁みるとは。

 

 

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さすがに意地で泣きはしなかったが、少し瞳が潤んだ。

なに、べつに何年振りという訳ではない。旅に出る前に、海なんか見ている。

それでも。だがそれでも。

 

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脱したのだ。内陸部から。着いたのだ、沿岸部へ。

 

走るフィールドが変わるだけで、何か一歩進んだ気がしてしまう。実際、何も成長などしていないのだろうが。なんとも、うれしくてうれしくて。

風で流されてくる砂を食みながら、今まで発したことのない奇声をあげた。

 

 

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右に見えるのは、房総半島だろうか。

 

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左に見えるのは茨城の港だろうか。

 

 

ここ蓮沼の砂浜は、あまりにも何もない。何もなさすぎて、はるか遠い岸の風力発電まで見えてしまう。

何もないくせして、心をここまで揺らすのだから海とは不思議なものだ。

 

我々の世界である陸と、我々の入りこめない世界である海との境界線に、人は憧憬を抱く。

それは母なる海への愛慕だろうか。はたまた未知への探求心だろうか。単に広大な景色を目の当たりにして、開放感に心酔しているのか。

 

んー、わかんないけど。

やっぱり海っていいなぁ。海はいい。

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