風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

足摺岬

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「足摺と室戸はライダーの定番ですよ、足摺は太平洋沿いの崖っぷちを走るんですけどね、そのときにカツオ節工場の香りがするからまさにライダーのための云々」

と、宮崎で会ったBMW乗りが言っていたので。

 

 

足摺りかぁ…、摺って進まないといけないような道なんだろうか。」

今日もまた、難所の予感がする。

覚悟を決めて、四万十市より国道321を南下し始めた。

 

 

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海が近くなった四万十川はさらにその姿を増し、利根川のような大河の様相を呈している。ここまでになっても流れはゆっくりなのだから、本当にほのぼのとしたヤツである。

 

 

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土佐清水の港町に着くと、県道27へ折れて足摺の半島へ。ひとまず西回りで行こう。

観光バスが向こうから2台、走ってくる。そこまで困難な道ではないのか…?

 

それにしても陽の光が妙に暖かい。身体の芯がポカポカしてきて、小春日和のようだった。

今年もこの調子で、暖冬だといいんだけどな…。

体の凍え云々より、路面が凍結しないことを願うばかりである。

ちなみに件のバイク用電源は、またヒューズが飛んでしまった。もういいやこいつは。

 

 

27号は山間を縫ったりとワインディングでこそあるものの、それこそロードスポーツで膝摺り…がギリできないぐらいの緩いカーブ続きで、片側一車線もきちんと確保されているし、とてつもなく走りやすい。

「なんか物足りないな…。」

 

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これが、皆が言う断崖絶壁の道なのだろうか。

確かにそうだが……、想像してたのと違う。コースを間違えたのか?

断崖絶壁というと、男鹿や京丹後のスリリングなものしか想像できなくなってしまっているのだが…。

 

 

 

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それから数分してヘアピンカーブを二回抜けると、お疲れ様 ようこそ足摺岬への看板が。えっもう終わり?

一帯はちょっとした観光街になっていて、少し賑やか。佐田岬のような場所を想像していたのだが…。

 

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朝なのに駐車場もほぼ満車だ。

そういえば昨晩、母が足摺岬は有名だよと言っていたな。

私としては初めて聞く名前だったのだが、そこそこ観光客が集まる場所だったようである。

拍子抜けしながら、遊歩道へ。

 

 

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佐田でも見たな、このグネグネ樹木。

あの時と同じように木のトンネルを歩いていると、途中で白装束を着たお遍路さん一行とすれ違う。そういえば近くには札所の一つ、金剛福寺もあるんだったな。

 

 

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ん、なかなか良い色だ。

王道の青って感じ。ごぅん、ざぱぁと断崖絶壁に叩きつける大波の音が、じつに耳福(あーふう)である。

 

この辺りには弘法大師にまつわる伝説がいくつかあるようである。

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弘法大師が一夜で鳥居を作ろうとしたが、天邪鬼が鳥の鳴き真似をしたため、作業を諦めたという地。

大師、意外と抜けてますね…。

 

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弘法大師が爪で「南無阿弥陀佛」の6文字を彫ったという大岩。

大師、俺には読めません…。

 

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地獄の穴。金剛福寺の地下まで続いているらしく、ここに硬貨を投げ込むと、チリンチリンとだかコトコトとだか音を立てて落ちていくらしい。

先祖の中に地獄に落ちた者がいれば、引き揚げてくださいとの想いで投げ込まれるらしいが、お金がもったいないし地獄に落ちた先祖もいないだろうから、試しはしなかった。

 

 


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足摺岬灯台。別名、黒潮の表玄関。1914年点灯。

佐田の灯台といい、白が美しい。

 

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足摺岬展望台より。地球が丸いね。

言い忘れていたがここは四国の最南端に位置しており、岬端には80mの海食断崖がそびえたっている。

近くにある白山洞門は、花崗岩の海食洞門として日本一(なんのだか知らんが)なのだそうだが、ちょっと今日は足が向かないかな。

 

 

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代わりに”21世紀に残したい日本風景、四国第一位という天狗の鼻へ向かってみる。地図上で見ると、たしかに天狗の鼻のように細長く伸びた岬だ。

 

 

 

 

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ほうほう…これは確かに。

四国第一位と言えるかどうかはわからないが、確かに一見の価値はある。ゴツゴツと切り立った岩肌の上にそびえたつ、ロケット型の灯台は実に堂々とした姿だ。

 

いい具合に足の運動もしたところで、そろそろ帰りますか。

 

 

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そうそう。忘れそうになったが、日本初の国際人として知られるジョン(中浜)万次郎は、この付近の中ノ浜出身らしい。

貧しい漁夫の次男に生まれた彼は、14歳のときに出漁中嵐に遭って鳥島に遭難。半年後運よく通りかかったアメリカの捕鯨船『ジョン・ホーランド号』に救助され、船長に気に入られた万次郎はアメリカの地で学校教育を受けることになる。

そこで英語はもちろん航海術、測量術、捕鯨術などを習得し、2度にわたって7つの海を周航。24歳で日本に帰った後は、その知識を認められ苗字帯刀を授かり、アメリカ書物の翻訳や英語教育、航海術の指南など、多忙な日々を送ったという。

 

…とまぁ、まるで漫画のような数奇な人生を生きた人である。すげぇ。

 

 

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土佐…すなわち高知は、長宗我部元親という戦国の英傑を始め、言わずと知れた坂本龍馬や板垣退助、長崎でもその名を聞いた岩崎弥太郎に、政治の雄である吉田 茂といった、日本の発展に尽力した名だたる偉人が数多く生まれた土地でもある。

 

細道連なる辺鄙な場所だが、だからこそ未来の希望を強く望めたのだろうか。

彼らがどんな想いでその生涯を賭したか。ビロウ樹林を抜けたこの先で、学べることを願う。

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