風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

岩と波の彫刻

鬼の洗濯板に面した道の駅フェニックス。

周辺に住宅地もなくカーブも少ないためか、日付が変わってもけたたましいエンジンの駆動音と排気音、そしてパリピの笑い声が聞こえてくる。…今日って休日だったっけ?

宮崎の人は元気あるんだな……。」

 

1021

 

IMG_3841.jpg

おかげさまで今日は眠い。が、のんびりしているつもりはない。

今日は長崎の川口さんにご紹介いただいた、延岡の御友人の元へ伺いに行く予定である。

県南から県北まで一気に移動する形となるが、明日は雨の予定だし道中気になるところもない。行っちゃっていいだろう。

 

 

IMG_3857.jpg

良い朝日だし眠気覚ましに套路をしていたら、FAZER乗りのお兄さんに「スゴいですね!」と声をかけていただいた。

続いてロケットⅢも賞賛していただいて写真まで撮っていただき、なんだか気恥ずかしい気分になる。

「こっから延岡なら……日向にクルスの海っていうところがありますよ! 岩の間の海がちょうど十字に見えるところでして…。あとはー、んー…龍の形に見える洞窟とか…ありますけど、ちょっとあてつけっぽいですかね。」

おお、面白そうだ。

今日は青島ぐらいしか見る予定がなかったので、情報に感謝してお別れをする。

 

 

IMG_3869.jpg

青島へは徒歩でしか渡れず、駐車場は有料だった。そして今日も波は荒い。

ならばさっさと日向へ向かってしまおう。

遠目に青島を見ていたら今度はBMW乗りのおじさんに話しかけられ、四国の情報をいただく。ホクホクだ。

 

 

XNTL1906.jpg

宮崎の市街地が近づいてくると、ヤシの木…っぽいやつが無数に連なっているのが目を引く。おもしれー…。

 


OXWA3674.jpg

 

IMG_3877.jpg

おお、ハワイだハワイ!

地方の県庁らしい豪勢なとはいえない町だが、この木々が連なる光景だけでも十分ウリになりそうである。

シーガイアの看板を横目に、国道10号を北へ。

 

 

~~

LYUS6372.jpg

2時間ほど走って日向市に入り、県道15号へ折れるとなんか神秘的な海が見えてきた。

小ぶりな海岸沿いのワインディングを上り、クルスの海展望台へ。

 

 

IMG_3899.jpg

「おーマジで十字架じゃん!」

柱状岩が波に侵食されできた巨大な十字架が、目の前に横たわっている。

てっきりもっと言われてみれば…というレベルかと思っていただけに、その完成度に感嘆する。

ここで祈りを捧げると願いが叶う…という言い伝えも、真実味を帯びて見える荘厳さだ。近くにあった鐘をカランカランと鳴らし、旅の成就を祈願した。

 

 

動きの遅い通り雨に打たれながら、日向岬をちょっと南下し今度は大御神社へ。

 

IMG_3918.jpg

石柱の灯篭が、なんだか重々しい。

今まで見てきた温かく迎えてくれる荘厳さではなく、気を引き締めろって感じの神秘さ。天気のせいだろうか…。

 

IMG_3921.jpg

海岸に建つ本殿。小ぶりだが、出雲大社で見たような造詣にちょっと気後れする。

皇祖天照御神を御祭神とする神社で、民からは昔から日向のお伊勢さまと崇敬されてきたらしい。

 

この神社、その本殿もすごいが、さらにインパクトがあるのが。

IMG_3930.jpg

奇岩の群れとそれに打ち寄せる波のいや迫力のあること。

今日は昨日と違い、風はない。それでも葛飾北斎チックにこうも波がうねっているのは、やはり地域性によるものなのだろうか。

左側に並んでいるのは柱状岩で、右はさざれ石の群れである。

 

IMG_3933.jpg

国家君が代で名高いさざれ石は鹿島神宮など全国に点在しているが、ここのものは日本最大級なのだそうである。

 

 

さざれ石から逆方向へ進み、今度は鵜戸神社へ向かう。FAZERの兄さんが言っていた、洞窟の龍を見るのだ。

IMG_3959.jpg

海沿いに進むこちらの参道も、どこか冷たい荘厳さである。

一帯は城址でもあるらしく、堀切の跡も見られた。

 

 

「え、ここ進むの…?」

IMG_3969.jpg

道、狭くねぇ? バックパックつっかえないかな…。

 

例の如く現れるフナムシの群れに耐えながら岩壁を進むと、仄暗い大口が眼前に現れる。

IMG_3973_20201021170805770.jpg

これは…………ちょっと怖いぞ(笑)

 

覗くと赤い鳥居が見えるから、あの洞窟こそ鵜戸神社、またの名を竜宮と呼ばれるもので間違いないだろう。

足を滑らせないよう岩肌を下り、波打ち際へ立つ。


IMG_3981.jpg

でかい。

垂水遺跡を思い出す寂しさと神秘さだ。

さざなみが反響する暗闇へ足を踏み入れていき、鳥居をくぐると奥の宮に辿り着く。

 

IMG_3988.jpg

ここから入り口を振り返って下さい。

…さて、本当に龍はいるのか。FAZER兄さんのいうとおり、あてつけなのか。

期待と不安を胸中で渦巻かせながら、ゆっくりと後ろを振り返る。

 

 

 

 

 

 

IMG_3993.jpg

見えた。

「見えたよ……俺には見える!」

たしかにあてつけと呼べなくもない形だが、私の目にははっきりと天に昇る白龍の姿が見えた。

暗闇のキャンバスが覆う眼前を、陽光が雷の如く切り裂いて目を細ませる。

神々しい…。

 

 

IMG_4003_202010211708099dd.jpg

これは…、昔の人がここで龍を崇めたというのも、納得できる光景だ。

波と岩と、それから光が生み出した彫像。人の手に負えない自然の重々しい力が、ここではひしひしと感じられる。

「やっぱ自然様には敵わんなぁ……。」

手の届かない寂しさを痛感しつつも、眺めていられる幸福に身を震わせる。

しばらくずっと、穴の中で怒濤の音に心を寄せた。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する