京都駅の南
9月4日
京都2りんかんで無事ブレーキパッドを交換していただいた後は、
まさかの。この旅で初めての、ホテルに泊まる。
というのも2りんかんに寄ったあと京都の街を散策したのでは、日があっという間に暮れてしまうと思ってあらかじめ小浜あたりで予約しておいたのである。
その値段たるやなんと約2,000円。トリバゴすげぇ…。
チェックインは15時から。まだ14時でお昼も食べていないので、ロケットⅢを置いて京都駅南口あたりまで歩いてみる。
最近、SNSなどで”今の京都は人がいない”と聞くが、本当なのだろうか…?
うーん駅前通りだってのに、確かに少ない…か?
盛岡や秋田と同じぐらい? けっこういるんじゃないか。
京都駅着。
人は少ないかも。
ちょうどドクターイエローが到着して、テンションが上がる。
いつもの状態がわからんからなんともだなー。
『原了郭』の祇園ブラックをいただく。うーん、さっぱり味に黒七味の辛味がよく合っていて、いい中毒性がある。
てきとーに見物したところでいい時間なので、ホテルに戻る。
「…とその前に、床屋を探しとこう…。」
宮城の大崎で髪を切ってもらってから、だいたい3ヶ月。そろそろ頃合いだ。
マップで調べた床屋さん『M&L Hair Mishina』を見つけ、ドアを開ける。
「すみませーん、後でカットに来たいんですけど…。」
「ああ、今からでも大丈夫ですよ。」
「いえでも、二日も風呂入ってないし、服も汗まみれなので…。」
「だいじょーぶですよ、シャンプーしますんで。どうぞどうぞ。」
本当はホテルでシャワーとクリーニングを済ませてから再訪するつもりだったのだが、親切心に甘えてそのまま椅子に座らせてもらうことに。
「言うほど髪、汚れてないですよ?」
「ホントですか?琵琶湖で泳いだからかなぁ…。」
「琵琶湖で…。」
~~
「あの、京都って人が減ったって聞いたんですけど、そうなんですか?」
「メッッッチャ減りましたよ! もうほんと。ガラッと減りました。」
「うわ~やっぱりそうなんですか! いつもの状態がわからないから、こんなもんなのかなって思ってて…。」
「前、京都駅の広い通り、だれーもいない時ありましたもん、子供がかけっこできるぐらいでした。」
やっぱり、人が減ったのは本当だったんだなぁ。
「外出自粛ってやつですかね…?」
「いやっ。外人が全然いなくなったからかなー。このあたり、ほとんど外人ばっかだったから。」
「えっそんなにですか?」
「ほんとほんと、ここにも毎月、4、5人はカットしに来るしね。」
“実は日本って床屋が優秀ってことで有名なんだよ”とも教えてくれた。なんでも、外国人は日本に来たら是非カットしてほしいのだそうだ。さすが、外人客が多い街の人は事情通だなぁ…。
また伏見稲荷は、世界で行ってみたい場所ランキングにてパリを抑え1位であったことも教えてくれた。普段は参道で人の肩と肩がぶつかるほど、参拝客で賑わう場所なのだそうだ。
「てっきり、朝だから人がいないんだと思ってましたが…。」
「全然。人がいない写真なんか、普段絶対撮れないからね。
良い時に来ましたね~。」
「良い時って言っていいのかどうなのか…。」
ついでにこの辺りについても話てもらうと、京都駅の南側は元々そこまで建物がなく、観光地としての主たる役目は北側に回して、ここは下町風情だったのだそう。
それでも近年急激にホテルが乱立してきたそうだが、コロナの影響で開館前に潰れてしまったところもあるそうだ。
「お客さんはどこ泊まるんです?」
「グリーンリッチホテルってとこです。」
「あ~あそこも新しいですよ。5年経ってないかなぁ…。」
「マジですか。」
満喫しよう。
~~
数年ぶりに髭を当てたりしてもらったりして、超スッキリしてお店を出る。
「また機会があれば、どうぞ。」
ええ、多分、また京都には来ると思います。
たしかに真新しいホテルが並ぶ一方で、平坦な住宅地も広がっている街並みだ。
意外だった。京都ともなれば、駅周辺はみんな都市化や観光地化が進んでいるもんだと思っていたが。
「案外、田舎っぽい面も育まれていってんだなぁ…。」
と、田舎育ちの私は勝手にシンパシーを抱くのであった。
北側にも行ってみようと思ったが。
ダメだ。
原稿を書いたら、もう19時半。
今日はもう、このフワフワでフワフワする。