風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

先輩たち

「いやぁ、本当にバイク用品売ってるんだ…。」

福井市のパソコンの館でヤレてきたバンジーコードと充電ケーブルを補充し、東へ向かう。

 

三国の道の駅にて永平寺と恐竜博物館のポスターを見かけたため、勝山へ行ってみることにしたのだ。こんなことなら、石川から白山経由で来れば良かったか…?

 

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「恐竜渓谷」なんて大層な地名が看板に示され始めると、福井の山々が見え始めてくる。ここも、なかなかいい形だ。

永平寺、恐竜博物館ともに見学料がかかるため、博物館のみ訪れてみることに。日本海の方へ落ちる陽を見ながら、25日は幕を閉じた。

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福井県立恐竜博物館』は、カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並んで、世界三大恐竜博物館とされているらしい。

そのおかげもあってか、勝山の地一帯に恐竜の模型が置いてあったり、トイレの男女マークが恐竜化していたりと…。すごい力の入れようである。

 

 

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コロナウイルスの影響で、博物館は現在予約制かつ午前・午後の入れ替え制をとっている。勿論昨日のうちに予約はしておいたので安心だったが、知らない人は少し苦慮するかもしれない(当日予約も可みたいだが)。

 

9時、開館と同時に入館。

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長いエスカレーターで地下に通される。ヤバイ、映画に出てきそうな整ったデザインの施設だ。流石世界に誇る博物館である…。

 

 

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地下では、魚竜やウミユリの化石たち、そしてアメリカで発見されたカマラサウルスの化石(たぶん複製)が出迎えてくれる。

長い首と尻尾までが、エビ反り状で発掘されたらしい。その姿こそ奇異だが、何千年も経つのにここまで骨が残っているとは…。土とはすごいものである。

 

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そこから1階へ上ると、動くティラノサウルスが登場。宝くじのアレで整備されたらしい…。

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その周囲には、恐竜たちの暮らしに関する紹介文が複製化石と共に展示されている。

恐竜たちについての文献はどれも興味を惹かれるものばかりで、他のお客さんが通り過ぎていく中、何十分もかけて文章に食い入ってしまった。

トサカのある恐竜は、それを使って音を出していたこと。恐竜の知能は脳の容量から推定していること。恐竜のは不明であること(そういえば昔トリビアの泉でも言ってたな)。

恐竜の赤ちゃんは頭に対して目が大きくてかわいく、そんな赤ちゃんを恐竜はちゃんとかわいがって育てていたこと。

巣の近くで化石が発掘されることから卵泥棒呼ばわりされていたオビラプトルが、実は子育てをする恐竜であったと最近判明したこと…。

 

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刺し違えた状態で発掘された恐竜なんてのも、あった。

読めば読むほど面白い…。

 

 

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もちろん、文字を読まなくとも目で見ただけで圧倒的に驚かされるのが、恐竜の魅力である。

スゴイ。もうほんとに、ジュラシックパークで見たような博物館が目の前に広がっていた。

 

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獣脚亜目のティラノサウルス・レックスと、竜脚下目のブラキオサウルス・アルティトラクス。どちらも好きな恐竜だ。

デッケェ…、デッカすぎる…! 迫力が半端ない。どのくらい凄いかというと、ちっちゃい子供が泣くぐらいだ。大人の客も、みな声を漏らしている。

 

水族館を見ている時もよく思うことだが、こういうところって案外、大人になってからも楽しめるものである。子供の頃は単純にそのスケールを体で感じて感動し、大人になれば詳しく知識を漁って脳を歓びで満たす。

…子供の頃、「おかーさん早く行こーよ」なんて言っていたのは、こういうことだったんだろうな。

 

 

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殆どは複製化石なのだが、このカマラサウルス(の一種)はほぼすべて実物である。そのため組み立ては鉄骨のようなもので支えられ、変化の激しい腰の骨は大腿骨とずれている。

現在、どの種なのか鋭意研究中なのだそうだ。

 

 

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その後も化石達は続く。

パキケファロ、エドモントニア、カッコイイ…!

 

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もちろん、海で生きた者たちの化石も取り扱っている。

エラスモサウルス長い。ブラキオもそうだが、画角に入りきらん…。

 

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こちらの16mあるという化石は、初期のクジラなんだとか。

海で生きる哺乳類として知られるクジラだが、その昔は本当に4足歩行の陸上生物だったらしい。

 

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マンモスや

 

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石まである…。

…とまぁ、恐竜だけでなくそれらを発掘する人たちの装備品や方法、そもそもの話として地球の変遷や大陸の変化、火山や地層について…などなど、良い意味で時間がいくらあっても足りないほどの資料が満載である。これ全部読んでいたら、マジで頭パンクするぞ…。

 

 

 

そんなわけでひととおりは省略し、最後にこの勝山という地について見てみる。今年はちょうど開館20周年だそうで、それに関する特別展示も企画されていた。

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事の発端は1874年、ドイツ人学者のライン博士が、北陸の手取層群より中生代の植物化石を採取したことであったらしい。

当時は日本に恐竜の化石はないと提唱する人もいたほど日本の地質学は進んでいなかっただけに、その発見は重大であった。そして1989年に恐竜化石発掘調査が開始され、杉山川沿いの地層を掘り進めてみると。ワニやカメ、植物の化石はおろか、新種の恐竜化石まで見つかる大発見を成したのである。

写真のフクイサウルスはじめ、フクイラプトルやフクイティタン、コシサウルス、フクイベナートルなど、そりゃもうフクイ祭りとなるほど学術的に価値のある場所だと判明したのだから、世界的に有名な博物館が出来てもおかしくはなかった、ということだろう。

 

 

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2020年には、私の好きなスピノサウルスの化石も発見されたのだという。知らなかったが、スピノサウルスは日本でもけっこう見つかってるっぽい。

恐竜といえばティラノサウルスやトリケラトプスといったアメリカのものを(某映画の影響もあり)彷彿としてしまうが、その祖先はアジアにいたそうだ。

 

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流麗なライン、このシュッとした鋭い骨格…! たまらんっ。

 

 

 

いや、2時間も歩き回ってしまった。飯も食べてたら、「そろそろ午前の部終了の時間です…」なんて言われてしまう始末である。

正直、頭では歴史とか考古学なんて、過去のものを掘り漁って何の役に立つというのだと思ってしまっている自分がいる。

ただやはり、こうして往時の、地球に住んだ先輩たちの姿を見ていると、太古の浪漫ってやつを感じずにはいられない。

 

紹介資料を読み漁る中で、近年は○○だったことが判明しており―といった記述をよく見かけた。それは、まだまだ歴史には謎が眠っており、時が経つにつれそれを明らかにする叡智を、我々は身に着けていっているということである。

過去を知れば知るほど、未来に進歩しているという証拠になる。そんな矛盾が、なんだかくすぐったい心地よさだ。

 

 

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もし、1億年を30㎝に換算してみるとすると、地球の歴史は全部で約14mになるらしい。その中で恐竜の時代は約50㎝、人間の歴史は、たったの2㎝にもおよばないそうだ。

温故知新というが。我々は彼らから、何を読み取り。何を活かしていけるんだろうか。

俺らの進化論は、まだまだ始まったばかりである。

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