氷見へ
8月19日
「これっ。昨日話した押し寿司! 朝食にでもと思って…。あとお茶と、保存食! 食べて!」
「うおおおお~! ありがてぇっ!」
昨晩一杯奢ってくれた兄さんに、今朝方も差し入れを頂いてしまった。
ちょうど食料を切らしていたところだったので、保存食はホント助かる。
言われたとおり押し寿司を食べ、贅沢に厚切りされた鱒に舌鼓を打ったところで出発する。
昨日GTO読んだから。『Driver’s
High』なんて聴きながら、いつもよりアクセル開けめで海を目指す。
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三度目となる国道156を北上し、415へ接続すると海が見えてくる。
天候が恵まれているからだろうか、その運の良さにしたって、富山の海はキレイすぎる。
氷見、東方の玄関口には、雨晴(あめはらし)という場所がある。
その昔、源 義経が奥州へ落ち延びる道中、にわか雨が晴れるのをこの地の岩で待った…、というのが名の由来らしい。
多分これがその岩。裏には『義経社』もある。
ゴミがあるように見えるが、ここはちょっとした海水浴場になっているため、客たちの荷物が置いてあるだけである。
こんな感じで海水浴場。
一帯としては珍しい、遠浅の海岸。白砂に青松が佇むこの情景は、あの大伴家持や松尾芭蕉が歌を詠んだ舞台でもある。
そんな偉人達の浪漫に浸りながら、北上。氷見の道の駅に到着する。
昨晩のお兄さんが言っていた通り、海鮮で有名な町のようである。
そして昨晩のお兄さんはあまりオススメしていなかったが、見かけてしまったので富山名物(?)ブラックラーメンを食す。なんだか妙にしょっぱかった。スープまくれません。
さて、今日はこの辺に腰を落ち着ける予定だが、まだ日は高い。どうしよう。
地図を開く。
「…おっ? ここにも城址があるのか…。えっと…、”あび”じょう?」
しかも海に面している。珍しい。行ってみたい。
バイクであそこの交差点を曲がって…、うーんちょっと道が狭そうだな。
徒歩で約30分…。
ダメだ、やめろ。この暑さだ。いくら余裕で歩ききれる距離とはいえ、辛いだろう。朝洗濯もしたばっかだ、汗は極力かきたくない。ああ、だが…!
「時間はある、のんびりいこう。」
続く。