風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

雨天休止

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「まだ秋田を去るな! これからどこへ行っても、秋田のこと引きずらせるようにしてやるから!」

というメッセージが、金萬をいただいた方から届いたのは昨日のことだった。

雨風凌げる寝床を用意していただけるというのはものすごく有難いお話だったが、申し訳ないながらも遠慮させていただいた。

ここで屋根を得るため秋田市にバックしたら、何か、今まで続けてきた何かが失われてしまう気がしたから。

 

 

 

目が覚めると、予報通り雨粒が叩きつける音がする。

「やっぱ、泊めてもらったほうがよかったかなぁ…。」

なんて苦笑しながら、道の駅内の飲食店『ぶなの森』でいただいた笹巻を頬張る。

「東北人は甘いものが好きだから!」ときな粉もくれたそのおばちゃんや、きのう一日、温泉で荷物を見てくれていた番台さんの顔が思い出される。

「気を付けてね」「がんばってね」

そんな別れ際の挨拶で妙に胸が苦しくなったのは、思い通り巡れなかった秋田への無念か、冷たい雨の中でいただけた暖かさ故か。

 

 

 

 

結局、五輪書を読んだり昼寝をしたりして、テントをたたんだのは昼過ぎのことである。

なんだかこんなこと、前にもあったなぁと、旅に出始めの埼玉の雨の日を思い出す。

ただあの頃と違って、今は随分と心に余裕があった。散々雨にも風にも鍛えられたし、自然を在りのままに受け入れろなんて言う人にも出逢ったし。

「成長したってことだろうな」

言うなればただテントのなかでグウタラしてただけだが、その肝の据わった自分が少し誇らしく思えた。

 

 

 

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随分のんびりとした山形入り。

 

とはいっても夕方が近づくとまた雨が降る見込みであり、やれることは限られている。

あらかじめこれまた前の職場仲間で山形出身の方にお話を聞き、いくつか目的地は決めていた。

 

 

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これがそのひとつ、酒田は『海鮮どんや とびしま』の海鮮料理。

14時とお昼どきを逃したのもいいとこで、1日数量限定の特製定食が食べられなかったのが心残りだ。この海鮮丼は税込み1,100円(予算オーバー)。その特製は、同じ値段でもっと具材がありそうだったのだが…。

とはいえ昼飯を抜かしていた腹にとってはニヤケものの内容だった。

 

 

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その後、朝グーグルマップで目星をつけておいた新井田川河口の緑地にテントを張り、やり損ねた中国武術の練習をしているとポツポツと雨が降ってきたので…。

 

「今日の旅、終了!」

 

風呂の日以外で、ここまで何もしなかった日も初めてである。

のだがいいのだ、いい。よしとしよう。

動きたくないときは動きたくない、それも私なりの旅なのだから。

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