風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

観光大使

710

 

 

憂鬱だ。

 

天気予報によると、今晩から明日、明後日にかけて雨が降り続くらしい。

一晩ならいい。だが、1日中続くとなると…。

スーパー銭湯に泊まるにしても、かなりの出費になってしまう。

 

まぁ、ここ最近の天気は直前にならないとわからないので。

ひとまず、いつでも逃げ込めるようスパ銭の多い秋田市街を訪れた。

 

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秋田駅東口の駐車場。ここも二輪車100円で停められて助かった。

ロケットⅢは普通の入り口からは入れないので、大物用のシャッターを係員が開けてくれ、段差では後ろから押してくれた。

 

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駅の東側は住宅地など閑静なイメージなので、お店などで栄えた西側へと駅を抜ける。

天井の緩やかな曲線が、ゆるりとしたイメージの秋田らしい。

それから私の目に依るものだが、たしかに秋田美人…といえる方々と多くすれ違った。顔…はまぁ、人それぞれだが。全体的に線が細い。

 

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巨大なアーケードとも言えるアーチを中心に、いくつかの大型建築物があってその中に百貨店などが入っていた。買い物や土産買いには困らなそうだ。

 

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それらこまごまとしたお店の群れを抜けると、見通しのきく道路へと出る。そばを横切っているのは一級河川旭川。

 

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浅い川なのだが、天気のせいか石垣や緑の色のせいか、深い色を携えている。

柳が立ち並ぶ歩道が特徴的。宇都宮や盛岡とは違って渋いイメージだ。

 

いろいろな県庁を見てきたが、駅前に川が流れていて、その上を道路が横切って…と、ある種のパターンというものがわかってきた気がする。これでもし私が街をつくることになっても、ある程度なんとかなりそうだ…。

 

以下、とくに書き連ぬることなし。

 

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赤れんが郷土館

 

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古ぼけた風俗街

 

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洒落たお店

 

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昼時になったので、駅近に戻って店を探す。

行列のできているラーメン屋…の横に、「ランチ500円」ののぼりが。

どうやらラーメン屋の上にカフェがあるらしい…。

こちらには行列はできていないが、それがかえって気になったので階段を上りカフェ『ティエラ』へ。

 

 

お客は私一人。

それをいいことに、カウンターに座り込んで女性のスタッフたちとしばし話し込んだ。

旅に出るなんてカッコいいですね。なんて秋田美人に褒められる。悪い気はしない。

…のだが、普段の土だらけ汗だらけな旅程を思い返すと、気恥ずかしくなった。

「…カッコいいのは、こうしてカフェでくつろいでるときぐらいですよ。」

 

後ほど入ってきた常連らしき男性も交えて、しばし秋田の観光地などについて教えてもらうことに。

ロケットⅢの話をするとモータースポーツ好きらしい男性は饒舌になり、秘湯にグルメにといろいろ教えてくれた。

「男鹿のほうだとギバサとかが美味しくてね、それから今だと岩ガキもいいかなぁ。食っていうと、南の方にポーランドから来た食べるスキーマイケルさんって人がいてね―。」

「県境にある、栗駒山荘! 坂を上っていくとこにあるんだけど、そこから鳥海山が見えてスッゴク雄大なんですよ。それから、田沢湖の方にもオススメがあってね。えーっと、なんだったかなー……そう! アルパこまくさ! 天気がいいと眼下に田沢湖が見えて、超オススメですよ!」

秋田に引きこもっているという男性のトークが止まらない。この感じ、初日の埼玉の人たちを思い出すなぁ。懐かしい。

ちなみに平成の大合併が行なわれる前、秋田にあった69市町村は全て温泉を持っていたという記録があるらしい。美人が多いのもそれが所以だろうか。

「東成瀬のあずきでっちってお菓子がおいしくて…、そうそう。すぐそこに、金萬って秋田県民ならみんな知ってるお菓子あるよ!

 そうだ、せっかく会えたんだから、買ってくるわ!」

と、お店を飛び出て数十分後。

 

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ご馳走になってしまった。

もちっと粘り気のあるカステラのような薄皮を破ると、中から白い餡が顔を覗かせる。生地のやわらかさと餡の甘さが頭の中を弛緩させ、ほんのりとしたひと時を演出してくれた。秋田らしい銘菓だこれは。

 

さらに金萬もう一箱、しとぎまめがきなるお菓子も頂き、

「あっ今日は運がいいね~~! 秋田一おいしいチャーハンを買って来たんですよ! あっあとこれセットのつまみ!」

と、晩御飯まで頂いてしまった。

一瞬でバックパックはパンパンに。なんて有難い人に巡り合えたんだろうか。観光大使になればいいのに。

 

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聞いたところによると、秋田から見た東京はかなり遠いところ。遊びに行くにしても、ほとんど仙台へ向かうのだという。ましてや、西日本なんて彼方の世界なのだそうだ。

福島出身の私自身西日本の経験は少ないので、楽しみにしていたのだが、これはもっと張り切らねばならなそうだ。

西の旅路を少しでも伝えさせていただく。それが、多分今の私にできる唯一の恩返しなのだから。

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