風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

辺境の祭り

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フェリーの車載甲板から抜け出ると、途端に雨がヘルメットを叩きつけてくる。

久々の本州、熱烈な歓迎だ。

 

…だがここ数日の経験から雨への対策はぬかっておらず、フェリーターミナル近くにある商業施設、その名も『コロナワールド』の立体駐車場へロケットⅢを停めた。

ここから、例の如く歩いて青森散策を行う。

 

 

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国道7号沿いに青森駅の方へ。

駅までは約4㎞とニセコを歩いたときの倍だが、店が多いおかげで時が経つのは早く感じた。

余裕を持った国道の両脇を、余裕を持ったチェーン店などが挟み込む…。この地方国道らしさ、なんだか懐かしい。

 

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ときたまガード下を通らされる。

誰もいないんじゃないかと思うほど静かな住宅街、濁った川、風化した神社、古ぼけたのぼりや看板。

いいね、この感じ。子供の頃、下校時に冒険したときの香りがする。

 

県庁所在地とはいえ、本州の端っこともなると郊外部はこんな感じか。

…なんだか、北海道より南にいるのに函館などより辺境の地に来てしまった感じだ。

言っちゃなんだが、北海道は本当に端の県っていう冠があるからなぁ。こういう中途半端なところが、最も辺境なのかもしれん。

 

 

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もちろん、駅が近くなればビル群も見えてきた。

盛岡を思い出させるアーケード街を通り、小ぶりな青森駅を通り過ぎると。

 

 

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波止場と商業施設、道路が上手く調和した空間が現れた。

ここは…、うまい具合にまとまっててカッコいい。

 

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上に架かっているのは青森ベイブリッジ。登ることができる。

青森県が主体となって建設したというこれは、青森を象徴する斜張橋であるとのことだ。よく見ると斜材が金色で美しい。

 

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近くに『八甲田丸』が係留されている。中にお店でも入ってるのだろうか。

 

近くにあった慰霊碑によれば、第二次世界大戦時、津軽海峡を渡る青函連絡船たちは次々と米軍の攻撃に遭い、何百人もの乗員とともに海に沈没、今も何隻かは海底に眠っているのだという。

今では当時の惨状を止めるものはなく、人々の記憶からも薄れ、知らない世代が増え―という文言が心にしみた。この碑を建てた人の想いが、多くの青森県民に届いているのだろうか。

 

 

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その後は、前の職場にいた青森出身の人の提案で『ワ・ラッセ』に。ここは青森の伝統文化として名高い、ねぶた祭りの片鱗を拝める場だ。

 

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コロナの影響…はなくとも、時期的にねぶた祭りなんて見れないと思っていただけに嬉しい展示だった。

ねぶたの起源は実は解明されておらず、割と謎の多いものとのこと。そんなつかみどころのなかった催しが、今日まで続いてきたのは、県民たちの熱い想いがあったからだろう。

 

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ねぶたの中身は、角に切った木材と針金(昔は竹)、そして大量の電球たちで溢れかえっている。これを設計するのは、やはり専門の職人たちだ。

構想を練る下絵はなんと前年の祭りが終わった段階から始まるそうで、そのスケールと手間の多さに頭が下がる。

戦後から表彰も行なわれるようになり、ねぶた名人なる称号まで贈られる人もいる…と聞くと、なるほどこれはただの祭りというより、そう…。一種の伝統的なスポーツなのかもしれないと感じた。野球レベルの。

 

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先ほどは辺境の―なんて言ってしまったが、実際見た目は辺境かもしれないが、こうして全国誰もが知っている祭りを持っている、っていうのは万々歳だと思う。

これは多分、全国的に有名になろうとか、そういうことを思ったんじゃなくて。ただ純粋に、先祖代々同じ場所で受け継いできた祭りを、俺たちの誇りを、絶対に絶ちたくない。もっと輝かせたい。楽しみたい。と思うねぶた好きな人たちが青森に絶えないから、日本人誰もが認めるようになったんじゃないだろうか。

 

…いや、真実のほどはわからないよ? めっちゃ広報活動昔からしてたかもしれないけどさ…。

ただ彼らのねぶたを見ていると、そう思えてしまうというだけのことだ。だってこれらってさ…、好きじゃないと絶対に作れない形をしてるでしょう? 金のためだったら、こうも魂が躍る物体は生まれないと思うんだよなぁ。



…さてと、もう正直雨なんて降っていないが、予報によると雨雲は21時過ぎに抜けるそう。

ここはコロナワールドで映画でも観て時間を潰しますか………最近夜更かしがすぎる気がする。

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