風来記

侍モドキとバイクの放浪旅を綴ってます。

はるばる来たぜ

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昨日とは打って変わり、青天をたたえ碧く染まった大間崎に腰を掛け。

はっきりと見えるようになった、これから足を踏み入れる地を見渡す。

 

デカい。デカすぎる。

今まで走ってきた本州が、もう一個あるみたいだ。

これからあそこへ行くのか………。

 

明日のフェリー出航まですることもないので、暫く呆ける。

北の地に吹く風になびいて、前髪が視界にチラリ。その中に白い一本も見えた。

「今までそれなりに、苦労はしてきたよなぁ…。この旅でも…。」

出逢った人々、見た景色、得られた知識を思い返す。それらはとても膨大…

「でもないな。」

まだそれほど、ここまで長かったという気分には浸れなかった。

 

 

 

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ボーーッと音を立て、大函丸はゆっくりと、這うようにして動き始めた。

はじめは微弱に、しかし確実に景色を横に流しながら。

やがて速度は加速していき、大間の地が白く霞んでいく。

 

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本州が、どんどん離れていく。

思えば昔仕事で九州に行ったことはあるが、私は生まれてからこれまで、あの島から一歩も出ていなかったんだな。

こうして見てみると、あんな小さい島で、20余年も暮らしていたんだな。

 

今まで足を着けていた地から離れる。そう考えると、どこか寂しい気もしたが。

その直後には、とっくに心は奮えていた。

踵を返せば、もうビルの角までくっきりと見える函館市街。

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私は今、初めて、島の中の蛙から飛び出したのだ。

同じ日本だろうがなんだろうが関係ない、私にとって、ここはまさに新天地なのだ。

 

さぁ、

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「はぁーるばるっ、来たぜはーーこだてーーーーっっ!!

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